海外FXの追証なし・ゼロカットシステムとは?罠・デメリットなども解説

ゼロカットシステム アイキャッチ

2022年9月2日更新

この記事でわかること

☑ゼロカットシステムの仕組み・メリットがわかる
☑海外FXがゼロカットシステムを導入している理由がわかる
☑ロスカットだけでは追証を防ぎ切れないことがわかる
☑ゼロカットシステムのデメリット・罠もわかる

国内FXトレーダーやFX初心者が海外FX口座を利用し始める理由の一つに「追証なしのゼロカットシステム」があります。

「追証なしのゼロカットシステム」とは、どんなに巨額の損失が発生しても追証を発生させないシステムであり、海外FXだけに導入されています。

国内FXと海外FXでは、出資した証拠金以上の損失の発生を防ぐための「ロスカットシステム」も採用していますが、ロスカットシステムだけでは追証の発生を完全に回避することができていません。

そのため、海外FXではトレーダーに証拠金以上の損失である追証を発生させないための「ゼロカットシステム」を導入しています。

この記事では、ゼロカットの仕組み、海外FXでゼロカットがある理由、ゼロカットのメリット、国内FXにゼロカットシステムがない理由、ロスカットシステムだけでは追証を防げないことなどを、分かりやすく解説します。

追証なしゼロカットシステムとは?

追証とは?

追証とは「追加証拠金」のことであり、損失が発生して口座残高がマイナスになってしまった時にFX会社に追加で入金しなければいけない証拠金であり借金です。

通常、証拠金維持率が一定率を下回ると強制ロスカットが発動しますが、相場に急激な変化があると強制ロスカットが間に合わず証拠金以上の損失が発生してしまい「追証」が発生することがあります。

このような追証のリスクを完全に防ぐためにゼロカットシステムがあります。

追証なしゼロカットシステムの仕組み

追証なしゼロカットシステムとは、口座のマイナス残高を帳消しにして、追証を無しにしてくれるシステムのことです、下の画像がゼロカットシステムの仕組みです。

ゼロカットシステムの仕組みイメージ

ゼロカットシステムがない国内FXでは、口座残高がマイナスになるとFX会社に追証を支払わなければいけません。

一方、海外FXのゼロカットシステムは、証拠金以上の損失が発生してしまっても、海外FX業者がマイナス残高をゼロにリセットするため、追証(借金)が発生しない安全なシステムです。

相場が急激に変化する時はロスカットで損失を完全に回避することはできないため、ゼロカットシステムはロスカットの弱点をカバーする、FX取引の安全性を高めるサービスだと言えます。

追証はかなり発生している

ゼロカットシステムがない国内FXでは追証は頻繁に発生しています。

ここでは、その一部として巨額の追証が発生したイベント相場のデータを紹介します。(金融先物取引業協会による集計データ)。

2021/3/22 トルコ中銀総裁更迭ショック
追証の件数追証の発生金額(百万円)
3,4581,381
2019/1/3 アップルショック
(フラッシュクラッシュ)
追証の件数追証の発生金額(百万円)
6,598943
2015/8/24 世界同時株安ショック
追証の件数追証の発生金額(百万円)
4,999919
2015/1/15 スイスフランショック
追証の件数追証の発生金額(百万円)
1,2293,388

ゼロカットシステムがない取引では、このような巨額の借金を抱えるリスクがあることを認識しておく必要があります。

スイスフランショック チャート

上の画像のように、ロスカット未収金の発生額が大きかったスイスフランショックでは、わずか20分以内に主要通貨ペアが20%~40%も下落し巨額の追証が発生しました。

このように、FXでは追証が発生するリスクと隣り合わせなのでゼロカットシステムがあった方が安全だと言えるでしょう。

ゼロカットシステムのメリット

海外FXのゼロカットシステムのメリット

ゼロカットシステムの代表的なメリットには以下の2点があります。

ゼロカットのメリット
  • 追証=借金を負担しなくていい
  • ハイレバ取引で大きな利益を狙いつつ損失を限定できる

追証(借金)の負担がゼロ

ゼロカットシステムは追証なし、損失を限定できる

 

ゼロカットシステムの最大メリットは「追証=借金」を負担するリスクがゼロ、損失を証拠金に限定できることです。

上記の画像のように証拠金10万円の時に、強制ロスカットが間に合わず20万円の損失が発生した場合は以下となります。

  • 国内FXでは追証と合わせて20万円の損失が発生
  • 海外FXではマイナス残高10万円は免除されて損失は証拠金10万円に限定される

ということになります。

このように海外FXでは追証がなく損失を限定できる取引環境でトレードすることができます。

ハイリスクがミドルリスクになる

ゼロカットシステムはハイレバレッジのハイリスクに対応できる

海外FXの大きな魅力の一つがハイレバレッジで取引できることです、少ない資金で効率よく利益を狙えるからです。

しかし、ハイレバレッジは効率よく利益を上げるこことができる反面、損失も膨らみやすいハイリスク・ハイリターンです。

ところが、海外FXではゼロカットシステムによって損失を限定できるため「ハイリスクをミドルリスクにする」ことができるのです。

先ほどの例のとおり、ゼロカットシステムがなければ200万円の損失となるはずだったのが100万円の損失で済むので、ゼロカットシステムによってハイリスクがミドルリスクになると言えます。

また、ゼロカットシステムがあることで予め損失が限定されることが分かっているので、メンタルに好影響を与え、ハイレバレッジで抱えるストレスから解放されるメリットもあります。

そのようなことから、ゼロカットシステムとハイレバレッジ取引は非常に相性が良く、ハイレバレッジ取引ができる海外FXには必要不可欠なサービスだと言えます。

海外FXにゼロカットがある理由・国内FXにない理由

海外FXにゼロカットシステムがある理由

海外FXがゼロカットを導入している理由

海外FXではなぜゼロカットシステムがあるのでしょうか?

その理由を以下で解説します。

海外FXでゼロカットがある理由
  • 海外ではゼロカットが義務化されている
  • 追証がない安心感からトレーダー数を増やせる
  • 追証を回収するための労力・費用を抑えることができる

ゼロカットが義務化されている

たとえば、欧州証券市場監督局(ESMA)などはゼロカットシステムの導入を義務化しています。

その結果、海外FXではほとんどの業者がゼロカットシステムを採用しています。

欧州系の金融ライセンスを保有しているXM、Exness、HotForex、iForex、FBSなど当サイトで紹介している海外FX業者はゼロカットシステムを導入しています。

追証がない安心感からトレーダー数を増やせる

ハイリスク・ハイリターン取引が狙える「ハイレバレッジ」と追証が発生しない「ゼロカットシテム」の組み合わせはトレーダーにとって大きな魅力です。

ゼロカットシステムがあると追証がない、損失リスクを限定しながら取引できるとトレーダーが安心感を持つからです。

そのため、新規トレーダーと新規口座開設数を増やすことができる、トレーダー数が増えて取引量も増えるとスプレッド収入が増えるのでゼロカットシステムを採用しています。

追証を回収するための労力・費用を抑えることができる

海外FX業者は様々な国に住んでいる顧客を相手にしています。

追証が発生し、顧客に請求しも回収できない場合、法律が異なる国に住んでいる顧客に対して、追証を回収するための法的手続きや裁判手続きを行うには多くの労力・時間と費用がかかります。

そのため、回収しなくてもいいから、ゼロカットシステムを導入してトレーダー数を増やすことで増えた利益の中から回収しなかった追証(損失)を補填するのが理にかなっているという経営判断が行われています。

ゼロカットシステムを国内FXが採用しない理由

国内FX業者がゼロカットシステムを採用しない理由は以下のとおりです。

国内FXがゼロカットを採用しない理由
  • 日本の法律が損失補填(ゼロカット)を禁止している
  • 国内FXではマイナス残高の発生が許されている

金融商品取引法は損失補填(ゼロカット)を禁止している

金融庁に登録されている国内FX業者は、金融商品取引法第39条によって顧客への損失補填は禁止されています。

(損失補塡等の禁止)
第三十九条 金融商品取引業者等は、次に掲げる行為をしてはならない。
(一項・二項を省略)
三 有価証券売買取引等につき、当該有価証券等について生じた顧客の損失の全部若しくは一部を補塡し、又はこれらについて生じた顧客の利益に追加するため、当該顧客又は第三者に対し、財産上の利益を提供し、又は第三者に提供させる行為

そもそもこのような法律があるため、国内FX業者はゼロカットシステムを導入しようがないのです。

国内FX業者は追証の発生が許されている

国内FXで採用されているロスカットは法令ではなく、一般社団法人 金融先物取引業協会が定めている自主規制ルールに基づいています。

自主規制ルールでは、

  • 業者はロスカット水準を定めていればよい
  • ロスカット水準を下回ったら必ずロスカットが執行されるならいい
  • 証拠金以上の損失が発生してもかまわない
  • ロスカット水準とおりにロスカットが執行されなくてもかまわない

つまり、国内FXはロスカットの遅延を認め、証拠金以上の損失の発生も認めており、はじめから追証を許しているのです。

ロスカット遅延と追証の発生が許されいて、損失補填も禁止されている国内FXは投資家よりも業者に有利な業界であると言えます。

以下に参考までに国内FXの自主規制ルールを紹介しておきます(太い文字が重要な部分です)。

監督指針に、通貨関連店頭デリバティブ取引におけるロスカット取引に係るリスク管理体制の整備及び業務運営の遂行についての留意事項として、

顧客の損失が、顧客が預託する証拠金を上回ることがないように、価格変動リスクや流動性リスク等を勘案してロスカット取引を実行する水準を定めているか。
ロスカット取引に関する取決めを明確に定めた社内規程等を策定し、顧客との契約に反映しているか。
取引時間中の各時点における顧客のポジションを適切に把握し、上記の水準に抵触した場合には、例外なくロスカット取引を実行しているか。
ロスカット取引を実行した状況を、定期的に又は必要に応じて随時に、取締役会等に報告しているか。
の4点が追加されました。

この項目は、証拠金を上回る損失が発生する可能性を絶対的に排除するものではありません。
ロスカット取引を実行する水準と実際にロスカット取引が成立する水準は必ず一致するものではありません。ここでは、顧客の取引が、各社で定めるロスカット取引を実行すべき条件に当てはまった場合に、直ちにロスカット取引を行う手続きをとることが求められています。

ゼロカットシステムの罠・デメリット・リスクはある?

ゼロカットシステムに罠がある?

ゼロカットされない可能性がある

ゼロカットシステム自体は追証をなくし取引リスクを低くするだけなのでデメリットはありません。

しかし、海外FX業者が追証を肩代わりし、トレーダーの損失を補填する負担が過大になるとゼロカットされない可能性があるかもしれません

かつてスイスフランショック時にゼロカットの負担に耐え切れずゼロカットできなかった海外FX業者がありましたが、当サイトで紹介しているXMなどの海外FX業者は問題なくゼロカットを実施してきています。

ゼロカットシステムが集客上の罠として悪用される

信頼性の低い海外FX業者の中には、ゼロカットシステムを集客の罠としていることもあるので注意しましょう。

ゼロカットシステムを宣伝の道具としているだけで、実際にはゼロカットを実施していないこともあります。

たとえば、信頼性の低い業者ではゼロカットは導入していても、業者の裁量で実施するしないを決められるようになっていることもあるので注意が必要です。

よって、信頼性が高い海外FX業者を選ぶ必要があります。ゼロカットが行ってくれるおすすめの海外FX業者10社を紹介中!

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ゼロカットシステムの注意点

ゼロカットを悪用した両建てに注意

異なる口座間や別の業者間での両建て取引はゼロカットシステムの悪用とみなされる可能性があるので注意してください。

経済指標発表時など相場が急激に動く時に両建て取引を行えば大きな利益を得られる可能性がありますが、ゼロカットシステムを悪用した「両建て取引」を行うと口座凍結されるリスクがあります。

具体的には、両建て取引において、一方の口座で追証が発生し、もう片方の口座で利益が出ている場合、追証を肩代わりし損失を補填する業者だけが損するためゼロカットの悪用だと判断されてしまうリスクがあります。

そのため、両建て取引を行う時は必ず同一の口座内で行いましょう

ゼロカットはマイナス残高になると発動される

ゼロカットシステムが発動されるタイミングは「口座残高がマイナスとなった時」です。

ボーナス残高がある口座の場合は、

  • まず、損失分とボーナス残高が相殺される
  • それでも口座残高がマイナスである場合にゼロカットが発動される

ということを知っておいてください。

ゼロにリセットされるタイミングは業者で異なる

ゼロカットシステムが適用されてから実際にマイナス残高がゼロにリセットされるタイミングは業者で異なります。

たとえば、GEMFOREXではゼロカットが発動されると約60分以内にマイナス残高を自動的にゼロにリセットしてくれます。

また、XMでは自動的にゼロにリセットされるのではなく、ポジションをすべて決済してから入金するとマイナス残高がゼロになります、この際の最低入金額は5ドルです。

大分昔ですが、当サイトの編集チームリーダーは、スイスフランショック時にXMで約25万円の追証が発生した際には5,000円だけ入金してリセットしてもらいました。

このように、海外FX業者がゼロカットで残高をゼロに戻してくれるタイミングが異なるので注意しましょう。

ゼロカットシステムについてよくある質問

Qゼロカットシステムが導入されていれば絶対に追証は発生しないのですか?
Aはい、ゼロカットシステムが実施されている限り追証を負担する可能性はありません。そのため、借金を背負う心配がありません。
Q海外FXではすべての業者がゼロカットシステムを導入しているのですか?
Aいいえ、すべてではありませんが、ほとんどの海外FX業者がゼロカットシステムを導入しています。しかし、信頼性が低い業者や詐欺業者の場合は実施してくれないリスクがあるので信頼性が高い業者を選びましょう。
Qゼロカットシステムを実施している安全な海外FX業者はありますか?
A多くの海外FX業者がゼロカットを実施していますが、信頼性や取引条件などを総合評価した場合、XM、GEMFOREX、FXGT、AXIORYなどがおすすめです。
Qゼロカットが発動されるタイミングはいつですか?
A口座残高がマイナスになったタイミングでゼロカットシステムが発動されます。口座にボーナス残高がある場合は、マイナス残高とボーナスを相殺してもマイナス残高が解消しない場合にゼロカットが発動されます。
Qゼロカットが執行されるタイミングはいつですか?
Aゼロカットによって口座残高がゼロにリセットされるタイミングは業者で異なります。ゲムフォレックスのように発動されてから自動的にリセットする業者もあればXMのように自動的にリセットされない業者まで様々です。

追証なしゼロカットシステムのまとめ

追証なしゼロカットシステムを読まれていかがでしたか?

この記事のまとめは以下のとおりです。

  • ロスカットだけでは追証の発生を完全に防ぐことはできない。
  • 国内FXでは追証が頻繁に発生しており、過去に何度も巨額の追証が発生してきている。
  • 金融商品取引法は損失補填を禁止しており国内FXはゼロカットを導入できない。
  • ゼロカットシステムはロスカットの弱点をカバーする安全装置である
  • よって、ハイレバレッジでも積極的に大きな利益を狙いに行ける
  • 信頼性が低い海外FX業者はゼロカットシステムを客寄せの罠にしている可能性がある。
  • 信頼性が低い海外FX業者はゼロカットを実施してくれないリスクがある
  • ゼロカットがあることで、顧客は安心して安全な取引ができ、

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